仕事、就活、家事、育児。
私たちの日常には挙げればきりがないくらいストレッサーがあふれています。
避けて通ることができないストレッサーとどのように付き合っていけばいいのでしょうか。
ストレスが発生するメカニズムとは
カナダの生理学者であるハンス・セリエはストレスを以下のように定義しています。
「外部環境からの刺激が加わった時、その歪みに対応しようとする一般的な反応」
何か嫌なことがあったりすると体に不調ががでたりする人もいるでしょう。
この体に出た不調は抗おうとする反応です。この体の抗う反応をストレスと言います。
嫌なことなことがあったときの「嫌なこと」をストレスと呼びません。
厳密にはそれを「ストレッサー」と呼びます。
人間は生理学的にもストレスに対応するために様々な機構を持っています。
【重要】ストレスは外部刺激により発生する自身の反応のことです。
2つのストレスとは
日々の仕事において、取引先あるいは上司とのやり取りにおいて精神的な緊張(ストレス)は避けられません。
ストレスは大きく分けて2種類あると言われています。
悪いストレスとは
悪いストレスとは、厳しい寒さや暑さ、不眠といった心身に悪影響及ぼす刺激や、業務の失敗などの刺激を言います。
一般的に我々がイメージするマイナスなストレスと言えます。
良いストレスとは
すべてのストレスが自身にとってマイナスなものばかりであるとは限りません。
例えば入浴や軽い飲酒などの適度な刺激、達成感・充実感といった自分を奮い立たせる刺激はいいストレスにつながります。
ただし人によってはこの良いストレスでも悪いストレスのようになってしまうこともあります。
ストレスの様々な対処法「コーピング」
前項ではハンスセリエは生物学的にストレスを説明しました。
一方でアメリカの心理学者であるリチャードラザルスは心理学の観点からストレスをとらえています。
心理学の観点からいくとストレッサーを受けた人間は以下の順で対応すると言います。
- ストレッサーをどのように評価するかの段階
- ストレスッサーが強いと評価されたとき、どのようにストレスを対処するかの選択
- 実際に選択された行動の実行
そしてこのストレスに対処する行動を「コーピング」といいます。
ではコーピングを具体的に見ていきましょう。
リラクゼーション
リラクゼーションとは交感神経の興奮を抑制し、副交感神経の働きが優位になっている状態をいいます。
例えばゆっくりとした腹式呼吸。
意識的に筋肉の緊張と緩和を繰り返す漸進性筋弛緩法などがあります。
さらにはウォーキング、ジョギング、水泳などの運動もあります。
また芳香などを用いたアロマテラピーもあります。
認知行動療法
ストレスの対処法としてなかなか聞きなれない言葉かもしれません。
ストレスが長期間かかると思考や感情にゆがみが発生してきます。
するとその歪みのせいでふとよからぬ考えが浮かびます(これを自動思考と呼ぶ)。
この自動思考と現実のギャップを埋めていき、バランスを取り戻す方法です。
適切なコミュニケーション
対人間におけるコミュニケーションを適切にしていくこともまたストレスの対処法における重要な役割を担っています。
職場におけるストレスの要因の一つでもある対人関係。
適切なコミュニケーションによって対人関係を円滑にし、ストレスを緩和させることも重要なコーピングの一つです。
マネージャーとしての適切なコミュニケーションの取り方については今後詳細に記載していきます。