自己を管理し評価・判断する
マネージャーはチームの目標とは別に自分自身の目標を設定します。
そしてその目標に向かっていくために自身を調整していく必要があるのです。
このようにして自身の目標に向かうためにはまず現在の自分を知る必要性があります。
長所、短所、能力、習慣などを客観的に考える必要あるということです。
自身を客観的にとらえるということは簡単なことではないでしょう。
他人に聞いたとしてもそれが部下であれば実際思っていること違うことをいうこともあるかもしれません。
ではどのようにすれば自己分析ができるのでしょうか。
自己分析に役立つ「ジョハリの窓」とは
ジョハリの窓で実際に分析をしてみましょう
この分析で何がわかるのかは後回しにして実際にやってみましょう。
多く用いられるのは、あらかじめ一般的な人の性格や性質などの選択肢を用意しておく方法です。
- 誠実である
- 努力家である
- 慎重である
- 個性的である etc…
まず初めにこのよう多くの項目を用意します。
ただしこの項目は友達、ビジネス、恋人など相手により変わる場合もあるので場に応じたものを用意するのがよいでしょう。
では具体的にこの分析を5人で行うとしましょう。
【1】5人がそれぞれ「この選択肢は自分に当てはまる!」と思うものを選びます。
【2】次に残りの4人についてもそれぞれ「この人はこの選択肢があてはまるな」と思った選択肢を選んであげます。
【3】最終的には自分が選んだ選択肢と、他の4人に選んでもらった選択肢が出そろいます。
【4】以下の表を用います。
以下の4つのルールに従ってすべての選択肢をこの表に書き込んでいきます。
- 〈開かれた窓〉『自分が選んだ選択肢』かつ『他者も選んだ選択肢』。
- 〈隠された窓〉『自分が選んだ選択肢』かつ『他者が選ばなかった選択肢』
- 〈気づかない窓〉『自分が選んでいない選択肢』かつ『他者が選んだ選択肢』
- 〈未知の窓〉『自分が選んでいない選択肢』かつ『他者も選ばなかった選択肢』
以上で作業は終わりです。
では以上の表で何がわかるのでしょうか。
ジョハリの窓で何がわかるのか
自己分析をする際よく用いられる手法がこのジョハリの窓を用いた分析です。
前項の作業の通りこれは一人で黙々と行う分析ではありません。複数人で行うものです。
さて得られた結果についてみていきましょう
〈開かれた窓〉の選択肢は自分も他者もわかっているすなわち自己開示できている選択肢と言えます。
〈隠された窓〉は相手には伝わっていない自分です。他人に理解してもらえるよう努力していくべき分野と言えます。
〈気づかない窓〉は自分ではそう思っていないが他者からは思われている部分です。すなわち誤解を生みやすくなる領域といえます。
こう言った部分は他者に尋ねて、自分のフィードバックとすることで誤解などを避けることができるといえます。
〈未知の窓〉は自分も他者も選ばなかった選択肢です。
すなわち未開拓の領域であり必要だと思われるものは努力次第で獲得していくことができる領域だといえます。
ジョハリの分析によってマネージャーが意識すべきこと
マネージャーは他人に自分のことを理解してもらうということが重要になってきます。
そして他者からのフィードバックも大切にしていかなければならないともいえるでしょう。
そのように考えたとき〈開かれた窓〉の領域はより一層拡張させ、自分も相手も理解していることを増やしましょう。
そして〈気づかない窓〉については自身で気づくことができない部分です。
他者からの指摘を真摯に受け止め、今後の行動を改善していくことが必要であるといえます。
仕事に優先順位をつけ自ら行うべき仕事を選別する
仕事を選別する方法
仕事の選別という題ですが、これは日々の生活においても役立つ知識だと思います。
普段の生活でもあるかと思いますが、多くのタスクが同時に舞い込んでくることはよくあるでしょう。
では何を基準にそれらのタスクに順位をつければいいのでしょうか。
タスクを分ける軸は大きく2つ『重要度』と『緊急度』です。
以下のようにA、B、C、Dの4つの領域に分けることができます。
『A』の重要で緊急の仕事はチームとして真っ先に取り組まなければなりません。
また『C』に当たる重要ではないが急ぎの仕事です。これは誰に任せるのがいいのでしょうか。
それは部下に任せるべきです。
マネージャーがそういった仕事まで引き受けてしまってはすべての仕事に手が回りません。
『B』の重要だが急ぎではない仕事です。
具体的には現状の顧客や課題の分析、仕事を効率化チームの改善、将来に備えた企画などが挙げられます。
マネージャーとしてはこのタスクの認識を怠ってはいけません。
選別した仕事を部下に任せる
マネージャーが部下に仕事を任せる際細かく指示をするばかりではいけません。
細かい制約を多くを受けた部下は自分の業務に対する意欲が高まりません。
さらには成長のスピードも落ちてしまいます。
では何を意識して部下に仕事を任せるのがよいのでしょうか。
以下の4つを意識してみましょう。
- 部下を信頼して、自分の業務を委ねるという姿勢を持つ
- 部下の育成という観点を忘れない
- 委譲した業務も、最終的には自分の責任の範囲と自覚する
- 部下の技量を考えて、託した業務の報告を適宜求める
まとめ
今回はセルフマネジメントについてみてきました。
チームや組織動かしていくマネージャーとしてまず周囲の自分に対する認識はどうなのかということが重要になってきます。
これは日常生活でも同じことが言えるのではないでしょうか。
こういった分析やタスクの選別というのはビジネスだけでなく日常生活の様々なところでも役立ってきます。
さらに大学生では就職活動における自己分析にも使うことができるでしょう。
正しく自分を評価・判断し、さらには自己管理していくことはチームをまとめるためにはなくてはならないことではないでしょうか。