そもそも資質とは何か
資質とはいったい何でしょうか。辞書では
生まれつきの性質や才能。資性。天性。
goo辞書
となっています。
では以下で述べるマネージャーに求められることを生まれつき持っていなければらないのでしょうか。
そんなことは全くないと思います。
確かに現時点で自分の持っている資質は今後とも大いに伸ばしていくことが重要です。
これから述べるマネージャーに必要な資質と呼ばれるものをもしあなたが持っていないとしましょう。
しかしこの資質は自分次第でいくらでも伸ばしていくことができると思います。
ピーター・ドラッカーという人物
ピーター・ドラッカーの功績
マネジメントを語るうえで外すことのできない存在といえばピーター・ドラッカーです。
なぜならこの世にマネジメントという分野を初めて産み落とした人物であることを知っている人も多いのではないでしょうか。
現代においても有名企業の一つであるアメリカの大手自動車メーカー「GM」の企業調査を発端とし、2つの著書『企業とは何か』、『現代の経営』においてマネジメントを体系化。
その後著書『マネジメント』においてこの分野をまとめましました。
著書の中で彼はマネージャーにとって欠くことのできない資質は「真摯さである」と述べました。
英語では「Integrity」と表現されています。
ピータードラッカーの考える「真摯さ」がない人間とは
そもそも「真摯さ」とはなんでしょうか。
「真摯に受け止めます」「真摯な対応」など言いますが、簡単には「まじめで熱心」なことです。
しかしながらドラッカー自身真摯さを定義することは難しいといっています。
定義がわからないものの「真摯さ」が欠けている人を見抜くことは難しくないとも述べました。
彼の考える「真摯さ」を欠く人間とは以下のような人物像であったようです。
- 人の強みよりも弱みに目の行く者
- 評論家(口ばかりで実践できない者)
- 何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者
- 真摯さよりも頭の良さを重視する者
- できる部下に脅威を感じることが明らかな者
- 自らの仕事に高い基準を設定しない者
これらに当てはまることはありませんか?
これがあるからと言ってすぐに向いていないとなるわけではないと思います。
意識して自分の考えを変えていくことが重要です。
それでは具体的にマネージャーにとっての「真摯さ」を見ていきましょう。
マネージャーにとって必要な3つの「真摯さ」
業務に対する「真摯さ」
一言でこれを述べるなら、企業や組織から期待される成果を上げるという粘り強い意志です。
成果が出ないからと言って簡単にあきらめてしまうなということです。
確かにリスクマネジメントにおいて成果が出ないために勇気ある撤退は必要だと思います。
ただしそのようなリスク回避をしているだけでは自身の持つ組織だけでなくは企業の成長や発展は見込めません。
「虎穴に入らずんば虎児を得ず」、積極的にリスクに取り組む意欲と覚悟を持つこともマネージャーにとっては重要なのです。
部下に対する「真摯さ」
もちろんマネージャー一人の力では物事を動かすことはできません。
部下がいるからこそ組織として機能することを忘れてはいけません。
部下一人一人の能力や考えを理解し、しっかりと部下の心をつかむ努力を怠ってはいけません。
簡単に話しかけられる友達感覚ではなく、部下の話にきちんと耳を傾け真正面から向き合うことが大切です。
自分に対する「真摯さ」
マネージャーはいかなる状況においても物事を判断し実行していく責任を伴います。
マネージャー自身何が正しいのかを常に考え、判断基準を持つ必要があるということです。
その判断基準というのはいつも同じものとは限りません。
すなわち常にその判断基準の正しさを自身に問い続け修正し続けなければなりません。
このような真摯さが無ければ部下や企業からの信頼を得ることができず、マネージャーとしての誠実さを疑問視されます。