コミュニケーションの意味と重要性
日常生活において他人とコミュニケーションする事はなくてはならないものです。
仕事においては上司や部下、さらには取引先等の間で「適切な」コミュニケーションをとることが求められます。
それでは「適切な」とは何でしょうか。
コミュニケーションとは一般的に人が社会生活を営む上で知覚・感情・思考などを伝達することを言います。
しかし同じコミュニティーに属していている人間同士でも、その一つ一つの認識が必ずしも一致しているとは限りません。
そもそも自分と相手は異なる認識を持っているという前提に立って行うことが大切です。
こうした認識の違いを極力なくしていかなければならないからこそコミュニケーションを「適切な」ものにしていかなければなりません。
すなわち自由だと思われているコミュニケーションにも認識の違いを埋めるためにはある程度の決まりごとがあるということです。
コミュニケーションの種類と役割
【バーバルコミュニケーション】と【ノンバーバルコミュニケーション】
この2つの言葉をすでにご存じの方も多いのではないかと思います。
バーバルコミュニケーション(VC)は「言葉」を使い相手自身を表現するものです。
それに対してノンバーバルコミュニケーション(NVC)は言葉以外の要素を使って表現するコミュニケーションのことです。
NVCのような相手の五感に訴える表現はコミュニケーションに与える影響が絶大です。
その具体的な証拠を見てみましょう。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性(メラビアンの実験)
ここからはアメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンについて見ていきましょう。
メラビアンは相手から情報を読み取る際にどの要素を使うのかを実験をしました。
要素は「言語」「聴覚」「視覚」の3種類に分類し、情報を読み取る要素の割合を出したものです。
結果は以下のようになりました。
言語(言葉の意味) …7%
聴覚(声の大きさや質、話し方)… 38%
視覚(見た目、表情、動作など) …55%
この結果からも分かる通りノンバーバルコミュニケーションである「聴覚」「視覚」から入ってくる情報はなんと93%にあたるのです。
すなわち我々のコミュニケーションの伝達の93%は「聴覚」や「視覚」によるものだということです。
それでは重要なことが分かったところで何を実践するべきか、4つの要素を紹介します。
4つのノンバーバルコミュニケーションの実践
ノンバーバルコミュニケーションは大きく次の4つに分類されます。
これらを普段から意識することによりコミュニケーションの能力は確実に高くなります。
パーソナルスペース
他人に近づかれると不快に感じる空間の事をパーソナルスペースといいます。
これには相手との【角度】【距離】【視線の高さ】などが関係してきます。
例えば部下と1対1で話をすることを考えてみましょう。
その際安心感を持って自分の話を聞いてもらいたい時はどういった状況が良いのでしょうか。
【角度】…お互い正面に向き合うのではなく、部下と自分との角度を90度位にする。
【距離】…遠からず近からずの適度な距離を置く。
【視線の高さ】…上から目線にならないよう視線の高さを同じにする。
なんとこれを工夫するだけで部下の安心感は大きく変わってきます。
こういったことは、教師と生徒、恋人間、友人間などあらゆる場面でも同じことです。
【角度】【距離】【視線の高さ】を工夫することを心がけましょう。
セルフプレゼンテーション
セルフプレゼンテーションとはつまりは見た目(匂いも含む)のことです。
この見た目には髪型、衣服、アクセサリー、持ち物、化粧、香水など視覚や嗅覚などから入ってくる情報があります。
見た目が不衛生そうな人が部屋の掃除について語ったとしても説得力がないといったところでしょうか。
もちろんその中には「ギャップ」を使ってで引き込む手法もあるでしょう。
しかしながら「ギャップ」をつけたはずが、相手の認識の違いによって別のものとしてとらえられる可能性すらあります。
伝える内容によってセルフプレゼンテーションを意識的に変化させましょう。
ボディーランゲージ
ボディーランゲージは【表情】【アイコンタクト】【態度】【身振り】【手振り】などのジェスチャーを指します。
日本人はよくボディーランゲージが苦手だと言われます。
しかしそういったボディーランゲージから入ってくる情報も非常に重要な役割を担っています。
ただしこういったジェスチャーにも限度や程度が存在します。
あまりにも身振り手振りが激しい人や大きな人は相手の気分を不快にさせる場合があります。
パラランゲージ
「パラ」には本来「近い」「補助的な」といった意味があります。
パラランゲージとは話をする時の【声の大きさ】【高低】【テンポ】【長さ】のことです。
「周辺言語」や「言語外言語」と呼ばれることもあります。
言葉の内容がいかに論理性を持っていても聞き手の受け取る印象はパラランゲージによっても大きく異なります。
特に日本語の場合語尾によって話の内容が「否定形」か「肯定形」かを結論付けることが多いため最後まで明瞭に話すことを心がける必要があります。
パラランゲージを意識することなく話が長くなってしまうと、大切なところを聞いてもらえなくなるリスクも出てきます。
ノンバーバルコミュニケーションのまとめ
以上の4つの要素を簡潔にまとめると相手との【空間的】【静止画的】【動的】【音的】な4つのポイントを意識ししましょう。
そして必要な場面で「適切な」コミュニケーションがとれるかどうかということが、自身のコミュニケーション能力を向上させるポイントとなります。